星に願いを
秋になりました。ミオノ村でも取り入れが終わり、待ちに待ったお祭りの日がやってきます。
毎年ハースさんはお祭りのときに出店をだして、手作りのハーブティーやハーブのお菓子を売ります。
これがとても好評で、ミオノ村のひとたちだけではなく、近くの村や街のひとたちも買いに来るほどでした。
特に今年は出来が良かったので、大好きなサイランに来てもらい、お茶をご馳走しようと楽しみにしていました。
サイランにそのことを話しに天文台まで行ってみると、サイランが金物細工を整理していました。
もちろんハースさんは、サイランが金物細工が得意で、ちょっとした玩具や装飾品を作っていることを知っています。
その腕はかなりのもので、ハースさん自身、サイランに貰ったテレイド・スコープをのぞくのが楽しみなくらいでした。
ぼんやり眺めていると、サイランもさすがに気付いたらしく、ハースさんはおやつに呼ばれました。
サイラン特製のたんぽぽコーヒーを飲みながら、愉しく話していると、当然のようにお祭りの話題になりました。
やはりサイランもお店を出すようです。
ハースさんば、箱に並べられた金物細工を何気ないフリをしてチェックしました。
どれもかわいらしいものでしたが、特にワイヤーで作った籠が気に入ったので、お祭りの日にこの籠を買おうと決めました。
お祭り当日、ハースさんは大事なことを忘れていました。サイランにお店に来てねと伝えるのを忘れていたのです。
おまけにハースさんのお店は大人気で、休むひまもないほどでした。
夜がふけてから友達のヒーさんが手伝いに来てくれたので、何とか抜け出すことが出来ました。
けれどもすでにおそかったのか、サイランのお店は片付けられていました。
偶然通り過ぎた少女の胸に、金物細工のブローチを見て、間に合わなかったことを悲しく思いました。
お祭りが終わる前にハースさんのお店の品物もなくなったので、片付けて帰ることにしました。
お手伝いをしてくれたヒーさんに、ナッツクッキーを渡して、後日改めてお礼をすることにしましたが、
どういうわけかヒーさんは受け取ろうとはしませんでした。
夜道をハーブ園に戻る途中、目の前に外灯の明かりではない光が灯っていました。
近くに行くとそれはサイランの持っていた「あかり花」でした。
「これは ぜひハースさんに」
サイランがさしだしたのは、ハースさんが気に入って買おうと思っていた籠でした。
中には「あかり花」が入ってました。
何気ないフリをしていたのですが、サイランはしっかり気がついていたのです。
ハースさんは嬉しくなって、さっきのナッツクッキーをサイランにあげました。
ナッツクッキーはサイランの大好きなお菓子なので、サイランも喜びました。
ヒーさんはこのことがわかっていたようです。
配布用のチラシに載せた小話です。
季節外れですが、結構気に入っているので。
ヒーさんというのは、友達からお借りしたキャラクターです。
ちゃんと許可は取ってますよ。(笑)
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